開発環境・ツール

Salesforce Inspectorでの組織確認といまの状況

この記事は2025年に書いたものです。取り上げているChrome拡張は、開発の担い手が交代しながらいまも配布が続いていますが、Salesforce公式の製品ではありません。当時の手順はそのまま残し、2026年9月時点の状況と、同じことを標準機能で行う方法を追記しました。

2025.01.06

この記事の読み方

最初に書いた時点では、Chrome拡張機能のSalesforce Inspectorを使って、組織の各種制限やオブジェクトのメタデータを画面から確認する、という内容でした。その手順自体は下に残してあります。

この拡張機能は、開発を引き継いだ別の開発者のもとで、いまも更新が続いています。ただし、Salesforce公式の製品ではない点は最初から変わっていません。

先に結論です。この拡張機能はいまも活発に更新されていますが、Salesforce公式ではありません。ログイン中のCookie情報にアクセスする権限を持つため、入れる前に見える範囲とデータの経路を確認してください。組織の制限は標準のSystem Overview画面でも確認できます。

Salesforce Inspectorでできたこと

Chromeの拡張機能として追加すると、Salesforceにログインした画面の上に専用のパネルが開くようになります。ここから、次のような確認ができました。

できたこと内容
組織の制限の確認API呼び出し回数やストレージ使用量など、組織ごとの上限と残量をまとめて表示する
オブジェクトの項目の確認選んだオブジェクトの項目一覧とAPI参照名を画面から確認する
メタデータのダウンロードオブジェクトの定義やデータをまとめてファイルへ書き出す
取引先オブジェクトの項目一覧。API参照名・表示ラベル・データ型が3列に並ぶ
項目の確認画面です。左からAPI参照名、表示ラベル、データ型の順に並ぶところを見てください。

導入は、Chromeウェブストアから拡張機能を追加し、Salesforceにログインしている状態で拡張機能を開く、という流れでした。

Chromeウェブストアの配布ページ。Salesforce Inspector Reloadedの名前と追加ボタン
配布ページです。当時の掲載名と、右上の「Chromeに追加」ボタンの位置を見てください。
拡張機能の追加確認ダイアログ。多数のサイト上のデータの読み取りと変更を求める表示
追加前の確認画面です。求められる権限の範囲がここに出るので、必ず読んでください。
Salesforceの取引先リストビュー。拡張機能を開く前のログイン済み画面
拡張機能を開く前の画面です。Salesforceにログインした状態にしておく必要があります。

組織の制限とメタデータを確認する手順は、次のとおりです。

  1. 拡張機能を追加する

    Chromeウェブストアの配布ページから、拡張機能をブラウザに追加します。

  2. Salesforceにログインした状態で開く

    Salesforceの画面を開いたまま、拡張機能のアイコンをクリックします。

  3. 組織の制限を確認する

    組織の制限(Org Limits)の画面で、API呼び出し回数などの上限と残量を確認します。

  4. 項目とメタデータを確認する

    対象のオブジェクトを選び、項目の一覧やAPI参照名を確認します。データをまとめて出力したいときは、ダウンロードの操作でファイルとして書き出します。

画面右端から開いたInspectorのパネル。Org Limitsの項目が赤枠で示されている
画面右端のボタンでパネルが開きます。組織の制限を見るときは赤枠のOrg Limitsを選びます。
組織の制限の一覧画面。半円のメーターが並び使用量と残量が数値で表示される
組織の制限の画面です。項目ごとに使用済みと残りの数が併記されるところを見てください。
組織の制限一覧の続き。データストレージ20%とファイルストレージ5%が赤枠で強調
ストレージの使用率です。赤枠の2つのように、使っている分だけ色が付いて示されます。
組織の制限一覧の続き。1時間あたりの上限に関する項目が並んでいる
1日単位だけでなく、1時間あたりの上限もこの画面にまとめて出ることを見てください。
組織の制限一覧の最後。権限セット1%と上限0の項目が赤枠で強調されている
一覧の末尾です。赤枠のように上限が0の項目は100%と表示される点に注意してください。
Inspectorのパネル。Download Metadataの項目が赤枠で示されている
メタデータを書き出すときは、パネルの赤枠Download Metadataを選びます。
取得するメタデータ種別のチェックボックス一覧。objectsだけにチェックが入っている
取得する種別を選ぶ画面です。必要なものだけにチェックを入れてから実行します。
メタデータ取得の進行ログ。Finishedと表示され保存用のリンクが並ぶ
取得の進行状況です。Finishedになってから保存のリンクを押す流れを見てください。
Inspectorのパネル。新規レコード作成の項目が赤枠で示されている
パネルには、いま開いているオブジェクトの情報と操作のリンクがまとめて並びます。
Inspectorのパネル。Data Exportの項目が赤枠で示されている
データを取り出すときは、パネルの赤枠Data Exportを選びます。
データ出力の画面。取得条件の入力欄と、実行ボタンが赤枠で示されている
取り出す条件を書く画面です。入力後に赤枠の実行ボタンを押すところを見てください。
データ出力の結果画面。85件を出力した旨とExcel・CSV・JSONへの複写ボタン
実行後の画面です。件数の表示と、表計算ソフトへ移すためのボタンが有効になります。

2026年9月時点の状況

この拡張機能は、Chromeウェブストアに「Salesforce Inspector Reloaded」として掲載されています。この記事の元になった配布ページも、もともとこの名前(URLのslugがsalesforce-inspector-relo)でした。

配布元のGitHubの説明によると、もとの「Salesforce Inspector」はSøren Krabbe氏とJesper Kristensen氏が開発したものですが、保守が止まったため、Thomas Prouvot氏が引き継いで開発を続けています。「Reloaded」は、この引き継ぎを指す名前です。

Chromeウェブストアの掲載では、バージョン2.0、最終更新は2026年9月3日、公開元はThomas Prouvot氏、利用者数は500,000人と表示されています。組織の制限確認やメタデータのダウンロードは、いまも掲載されている機能です。

⛔ この拡張機能はSalesforce公式の製品ではありません。help.salesforce.com にも developer.salesforce.com にも、この拡張機能についての記載はありません。GitHub側では、Salesforce Developersのブログで取り上げられたことがある旨が案内されていますが、これは紹介であって公式化ではありません。

配布ページの権限一覧では、https://*.salesforce.com/* を含むSalesforce系ドメインすべてへのアクセス権限に加えて、「cookies」「storage」という2つの権限を求めると明記されています。開発者自身の開示では、扱うデータ区分として「Website content(サイトの表示内容)」が挙げられています。

入れる前に確かめること

外部のブラウザ拡張をSalesforceにつなぐときは、機能の便利さより先に次を見てください。

  1. 見える範囲を確認する

    この拡張機能はSalesforce系ドメイン全体へのアクセス権限を求めます。ログイン中の画面に映るデータは、原則としてすべて拡張機能から見える状態になります。

  2. Cookie権限の意味を理解する

    「cookies」権限は、ログインセッションに関わる情報を読み書きできる権限です。何のために使われているかは、開発者が公開しているプライバシーポリシーの原文で確かめてください。

  3. 会社の方針に合うかを確認する

    ブラウザ拡張の導入を情報システム部門が管理している会社では、個人の判断で入れられません。

  4. ダウンロードしたファイルの置き場所を決める

    メタデータの書き出しファイルには組織の構成情報が含まれます。手元の端末に残したままにせず、社内の決まりに沿って保管してください。

標準機能で同じことをする

組織の制限確認とメタデータのダウンロードは、Salesforce公式の画面やツールでも行えます。

やりたいこと標準・公式でのやり方
API呼び出し回数などの上限と残量を見る設定のSystem Overviewページで、直近24時間のAPI使用状況などを確認できます
プログラムから上限と残量を取得するREST APIのLimitsリソースで、API呼び出し・ストレージ・非同期処理などの上限と残量を取得できます
項目とAPI参照名を確認するオブジェクトマネージャの「項目とリレーション」、または開発者コンソールのObject Inspectorで確認できます
メタデータをファイルとして取得するSalesforce CLI(sf コマンド)またはVS Code拡張機能で、組織からメタデータを取得してローカルに保存できます

System Overviewページの確認内容

公式ヘルプによると、System OverviewページではAPI使用状況のほか、スキーマ・ビジネスロジック・ユーザインターフェース・ライセンス使用状況などをまとめて確認できます。設定のクイック検索から開けます。

⚠️ REST APIのLimitsリソースが返す数値は、5分以内の精度と公式ドキュメントに明記されています。リアルタイムの正確な残量が必要な場面では、その前提で扱ってください。

確認した環境

  • 2026年9月 / Salesforce Summer '26(APIバージョン67.0)時点の公式ドキュメントで、System OverviewページとLimitsリソースの内容を確認しています
  • 拡張機能の提供状況は、2026年9月に配布元のChromeウェブストアおよびGitHubリポジトリの掲載内容で確認しています
  • 記事の前半の手順は2025年1月時点の記録です。画面や操作は変わっている可能性があります

まとめ

  • Salesforce Inspectorは、組織の制限確認とメタデータのダウンロードを画面から行えるChrome拡張でした
  • 現在は「Salesforce Inspector Reloaded」として、開発を引き継いだ別の開発者のもとで更新が続いています
  • Salesforce公式の製品ではなく、Cookie権限を含む広い権限を求めるため、見える範囲とデータの経路を確認してから入れてください
  • 組織の制限は、標準のSystem OverviewページとREST APIのLimitsリソースで公式に確認できます
  • メタデータの取得は、Salesforce CLIやVS Code拡張機能が公式の代替です

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