SalesforceのJMeter負荷試験、申請と導入手順
JMeterでSalesforceへ負荷をかけるには、導入より先にやることがあります。ここでは申請の要点と、現行版のJavaとJMeterの入れ方、日本語表示に切り替える現行のやり方までを説明します。
負荷試験は許可を取ってから
SalesforceへJMeterで負荷をかけるテストは、インストールより先に確かめることがあります。Salesforceは、性能試験もスケールテストも事前承認制にしています。公式のFAQには次のように書かれています。
> No. All tests must be pre-approved. Unapproved testing is subject to throttling or blocking.(すべてのテストは事前承認が必要です。未承認のテストはスロットリングまたはブロックの対象になります)
120RPS(Requests Per Second)以下のパフォーマンステストは、Salesforceサポートへテスト日の少なくとも1週間前にLAP(Limit, Activation, Permissions)リクエストを申請します。120RPSを超えるスケールテストは、有償アドオンのScale Testを使い、担当のアカウントエグゼクティブ(AE)を通して申請します。どちらも対象はサンドボックスで、申請書には開始・終了日時、対象サンドボックスの組織ID、実施者の連絡先、テストするビジネスシナリオを含めます。
この記事から3回に分けてJMeterの使い方を説明しますが、実際に負荷をかける前に、この申請を済ませてください。承認前に走らせた負荷や、承認内容を超える負荷は、スロットリングやブロックの対象になります。
JMeterを用意する
2026年9月時点、JMeterの最新版は5.6.3です。公式サイトの「Download Apache JMeter」ページからapache-jmeter-5.6.3.zipを取得し、任意のフォルダへ展開します。フォルダ名は変えてもかまいませんが、binなどのサブフォルダ名は変更しません。
Javaを用意する
JMeterの必須要件はJava 8以上です。公式のガイドは次のように書いています。
> JMeter is compatible with Java 8 or higher.
⚠️ JRE(実行環境)だけでなくJDKを入れてください。HTTPSの通信を記録する機能は、JDKに含まれるkeytoolというツールを使います。JRE単体だと、次の記事で説明する記録の作業でつまずきます。
日本語表示にする
JMeterは既定では英語で起動します。日本語にする方法は2つあります。
| 方法 | やること | 効果 |
|---|---|---|
| 環境変数 | JMeterを起動する前にJMETER_LANGUAGEという環境変数を設定する | その回の起動だけ日本語になる |
| プロパティファイル | bin/user.propertiesにlanguage=jaを1行加える | 次回以降も日本語で起動する |
公式のユーザーズガイドは、JMETER_LANGUAGEを起動スクリプトの中身ではなく、起動前に設定する環境変数として説明しています。
set JMETER_LANGUAGE=-Duser.language=ja -Duser.region=JP
Windowsのコマンドプロンプトで、起動する前に実行します。この回だけ日本語になります。
継続して日本語にしたいときは、プロパティ参照が定めているlanguageプロパティを使います。
language=ja
bin/user.propertiesに1行加えます。次回の起動から日本語になります。
⛔ bin/jmeter.batを直接書き換えるやり方は避けてください。JMeterをバージョンアップしてフォルダを入れ替えると、書き換えた内容も一緒に消えます。bin/jmeter.propertiesも同じく新しい版で置き換わるため、設定はbin/user.propertiesに書きます。環境変数かuser.propertiesなら、新しいフォルダへ引き継げます。
JMeterを起動する
binフォルダのjmeter.bat(Windows)またはjmeter.sh(Linux・macOS)を実行すると、GUIが起動します。
⚠️ GUIで負荷をかけないでください。公式のガイドは、GUIモードはテスト計画を作るためだけに使い、負荷をかける実行はCLIモード(Non GUIモード)で行うと明記しています。具体的な操作は、次の記事「JMeterのテストシナリオの作り方」と「JMeterでパフォーマンスを測定する方法」で説明します。
ここで間違えやすい
| 間違い | 何が起きるか |
|---|---|
| 承認を取らずに負荷をかける | スロットリングまたはブロックの対象になります |
| JREだけを入れる | HTTPSの通信を記録するときkeytoolが見つからずエラーになります |
jmeter.batを直接書き換える | バージョンアップのたびに書き換えが消えます |
| GUIのまま負荷をかける | 公式が非推奨としている使い方です。次の記事で説明するCLIモードを使います |
確認した環境
- 2026年9月/JMeterの現行版が5.6.3であること、必須要件がJava 8以上であることを、
jmeter.apache.orgのDownloadページとGetting Startedで確認しています - Salesforceの事前承認の内容は
help.salesforce.comの公式FAQで確認しています
まとめ
- SalesforceへのJMeter負荷試験は、導入より先に事前承認が要ります。120RPS以下はLAP経由、超えるとScale Test経由です
- JMeterの現行版は5.6.3、必須要件はJava 8以上です。HTTPS記録に使う
keytoolのため、JDKを入れてください - 日本語表示は
JMETER_LANGUAGE環境変数かuser.propertiesのlanguageプロパティで切り替えます。jmeter.batやjmeter.propertiesは直接書き換えません - 負荷をかける実行はGUIではなくCLIモードで行います。手順は次の記事で説明します
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