2026.10.20外部サービス連携

SalesforceのMCPサーバーをClaudeとChatGPTにつなぐ

Salesforce の組織を Claude や ChatGPT から読み書きできるようにする、Salesforce Hosted MCP サーバーの接続手順です。組織側の有効化、外部クライアントアプリの設定、AI クライアント側の登録の順に、公式ガイドの設定値で書きます。

01Salesforce Hosted MCP サーバーでできること

MCP(Model Context Protocol)は、AI クライアントが外部のツールやデータを呼び出すための取り決めです。Salesforce は、組織のデータや設定を MCP で扱えるサーバーを、Salesforce 側でホストして提供しています。これが Salesforce Hosted MCP サーバーです。

私たちも自社の組織を Claude と ChatGPT からつなぎ、レコードの検索や設定の調査に使っています。つなぐまでの作業は、組織側と AI クライアント側に分かれます。

どこで何をするか
Salesforce の設定使う MCP サーバーを有効化する
Salesforce の設定外部クライアントアプリを作り、OAuth を設定する
AI クライアントサーバーの URL とコンシューマー鍵を登録し、Salesforce にログインして認可する

MCP サーバー経由の操作は、認証したユーザーとして動きます。公式ガイドでは、オブジェクトの権限・項目レベルセキュリティ・共有ルールが、ツールの呼び出しごとに適用されるとされています。AI だから見える範囲が広がる、ということはありません。

02使うサーバーを選ぶ

公式ガイドの一覧には、用途ごとにサーバーが用意されています。主なものは次のとおりです。

サーバー名できること
platform/sobject-allレコードの作成・参照・更新・削除と、クエリ・検索
platform/sobject-reads参照とクエリだけ
platform/sobject-mutations作成と更新。削除はできない
platform/sobject-deletes削除だけ
platform/headless-360目的からAPIの操作を探して実行する。2026年10月時点でベータ

platform/headless-360 は、discover(目的から操作を探す)・describe(操作の仕様を取る)・dispatch(実行する)・dispatch_readonly(GET だけ実行する)の4つのツールを持ちます。前提として API バージョン 67.0 以降が要ります。

レコードを読むだけで足りるなら、platform/sobject-reads から始めると、AI が誤ってデータを書き換えることを防げます。書き込みが要るとわかってから、範囲の広いサーバーを有効にします。

03組織側でサーバーを有効化する

  1. MCP サーバーの画面を開く

    設定の[クイック検索]に「MCP Servers」と入れ、API Catalog の下の[MCP Servers]を選びます。

  2. 使うサーバーを有効化する

    一覧から使うサーバーを選んで有効にします。公式ガイドでは、サーバーは初期状態ですべて無効です。

  3. 有効になるまで待つ

    有効にしてから使えるようになるまで、最大2分かかります。

04外部クライアントアプリを作る

AI クライアントが OAuth で Salesforce にログインするための入口を作ります。公式ガイドでは、接続アプリはサポートされていません。外部クライアントアプリで作ります。

  1. 新規作成を開く

    設定の[クイック検索]に「external client」と入れ、[External Client App Manager]から[New External Client App]を選びます。アプリ名と連絡先メールを入れます。

  2. OAuth を有効にする

    [API (Enable OAuth Settings)]を開き、[Enable OAuth]にチェックを入れます。

  3. コールバック URL を入れる

    Claude なら https://claude.ai/api/mcp/auth_callback です。ChatGPT は、ChatGPT の設定画面に出る値をコピーして入れます。

  4. OAuth スコープを2つ選ぶ

    「Access MCP servers (mcp_api)」と「Perform requests at any time (refresh_token)」の2つです。

  5. セキュリティ設定を決める

    「Issue JSON Web Token (JWT)-based access tokens for named users」を選びます。そのほかの項目は外します。

  6. コンシューマー鍵と秘密を控える

    保存したら[Settings]の OAuth Settings にある[Consumer Key and Secret]を開き、コンシューマー鍵とコンシューマーの秘密をコピーします。ChatGPT からつなぐときは秘密も使います。秘密はチャットやメールに貼らず、登録する画面へ直接入れます。

ここで間違えやすい:公式ガイドは、JWT の項目を選んだうえで「サポートへの依頼なしで変えられるほかの項目はすべて外す」と書いています。ほかの項目をまとめて外すときに、JWT の項目まで外さないでください。作った外部クライアントアプリが使えるようになるまでには、最大30分かかります。作った直後に接続して失敗しても、設定の誤りとは限りません。

本番の組織で使う場合、公式ガイドは追加の締め付けとして、権限セットで使えるユーザーを絞る、IP 範囲を制限する、更新トークンの有効期間を30日以下にする、といった設定を挙げています。初期状態では、組織のどのユーザーでもこのアプリで認証できます。AI から組織に入れる人を限りたいなら、権限セットで絞ります。

05サーバーの URL の形

AI クライアントに登録する URL は、サーバー名を末尾に付けた形です。形は2つあり、組織の My Domain 名を入れる形が推奨です。Salesforce が公開している Hosted MCP のリポジトリの説明では、My Domain を入れる形(途中に /d/ が入る形)がすべての組織に推奨され、login.salesforce.com や test.salesforce.com からのログインを止めている組織では必須とされています。

本番:
https://api.salesforce.com/platform/mcp/v1/d/<MYDOMAIN>/<SERVER-NAME>

Sandbox:
https://api.salesforce.com/platform/mcp/v1/d/<MYDOMAIN>--<SANDBOX名>/sandbox/<SERVER-NAME>

My Domain を入れる形(推奨)。<MYDOMAIN> は My Domain 名、<SERVER-NAME> に platform/sobject-reads などのサーバー名が入ります

My Domain を入れない短い形もあります。

本番:
https://api.salesforce.com/platform/mcp/v1/<SERVER-NAME>

Sandbox・スクラッチ組織:
https://api.salesforce.com/platform/mcp/v1/sandbox/<SERVER-NAME>

My Domain を入れない形

たとえば My Domain 名が example の本番組織で platform/sobject-all を使うなら、https://api.salesforce.com/platform/mcp/v1/d/example/platform/sobject-all です。複数の組織をつなぐ場合も、My Domain を入れた形なら URL を見ただけでどの組織か分かります。

06Claude に登録する

  1. カスタムコネクタを追加する

    Claude の[Customize]から[Connectors]を開き、[+]から[Add custom connector]を選びます。

  2. 名前と URL を入れる

    名前を付け、前の節の形でサーバーの URL を入れます。

  3. コンシューマー鍵を入れる

    [Advanced settings]の[OAuth Client ID]に、控えたコンシューマー鍵を貼り、[Add]を押します。

  4. 接続する

    [Connect]を押し、Salesforce のログイン画面でつなぎたい組織のユーザーとしてログインし、アクセスを許可します。

追加したコネクタは[Configure]から、ツールごとの許可を変えられます。書き込みのツールを使わせたくないなら、ここで止めておきます。

07ChatGPT に登録する

ChatGPT は、開発者モードで MCP サーバーに対応しています。公式ガイドの手順は次のとおりです。

  1. アプリを作る

    開発者モードを有効にし、[Settings]の[Apps]から[Create App]を選びます。名前と、サーバーの URL を入れます。

  2. OAuth の詳細設定を開く

    認証の[Advanced settings]で、登録方法に「User-defined OAuth client」を選び、[OAuth Client ID]にコンシューマー鍵を、クライアントシークレットの欄にコンシューマーの秘密を入れます。

  3. コールバック URL を外部クライアントアプリへ入れる

    画面に出るコールバック URL をコピーし、外部クライアントアプリのコールバック URL に入れて保存します。

  4. 作成して認可する

    [Create]を押し、Salesforce のログイン画面でつなぎたい組織にログインして許可します。

私たちは、Claude 用と ChatGPT 用で外部クライアントアプリを分けて作っています。どのクライアントからの接続かを、アプリの単位で分けて管理するためです。

08つながらないときに見るところ

症状見るところ
認可のあとで別の組織につながる公式ガイドは、ほかの組織からログアウトし、既定のブラウザで外部クライアントアプリを作った組織にログインしておくよう求めています。複数の組織を扱う人は、ここで取り違えます
作った直後に認証が通らない外部クライアントアプリが使えるようになるまで最大30分かかります。時間を置いて試します
サーバーが見つからない設定の[MCP Servers]で、そのサーバーを有効にしたか。有効化から使えるまで最大2分かかります
Sandbox につながらないURL に /sandbox/ が入っているか。My Domain を入れる形なら、<MYDOMAIN>--<SANDBOX名> になっているか
ログイン画面が出ない・別の組織に飛ぶMy Domain を入れた形(/d/<MYDOMAIN>/)の URL を使っているか
ChatGPT で認可のあとに失敗するクライアントシークレットを入れたか
一部のレコードや項目が見えない認証したユーザーの権限と共有の設定がそのまま効いています。MCP の設定ではなく、ユーザーの権限を確かめます

09確認した環境

  • 2026年10月 / Salesforce Winter '27(API バージョン 68.0)時点の公式ドキュメントで確認しています
  • 手順と設定値は、Salesforce Developers の「Salesforce Hosted MCP Servers」ガイドと、Salesforce が GitHub で公開している Hosted MCP の説明に合わせています。ChatGPT のクライアントシークレットは、2026年10月に私たちの組織でつないで確かめた結果です。platform/headless-360 は同ガイドでベータと書かれています

10まとめ

  • Salesforce Hosted MCP サーバーは、設定の[MCP Servers]で使うサーバーを有効にしてから使います。初期状態ではすべて無効です
  • AI クライアントの入口は外部クライアントアプリで作ります。接続アプリはサポートされていません
  • OAuth スコープは「Access MCP servers (mcp_api)」と「Perform requests at any time (refresh_token)」の2つで、JWT ベースのアクセストークンの項目を選びます
  • URL は https://api.salesforce.com/platform/mcp/v1/d/<MYDOMAIN>/ にサーバー名を付けた、My Domain を入れる形が推奨です。Sandbox は途中に /sandbox/ が入ります
  • ChatGPT からつなぐときは、コンシューマー鍵に加えてコンシューマーの秘密も登録します
  • 操作は認証したユーザーとして動き、オブジェクトの権限・項目レベルセキュリティ・共有ルールがそのまま効きます
  • 読むだけなら platform/sobject-reads から始めると、意図しない書き換えを防げます

11参考

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