レコードの所有者を変えられるユーザーと必要な権限
編集はできるのに、所有者の変更だけができないという問い合わせは、権限の設定で起きます。1件ずつ変える場合と一括で移す場合で条件が違うので、公式ヘルプの条件を表にして、どの権限を付ければよいかを整理します。
01編集できても所有者を変えられないことがある
「レコードの編集はできるのに、所有者の変更を押すとエラーになる」という問い合わせを、私たちも管理者の方から受けます。担当の引き継ぎで所有者をまとめて付け替えたいときに、よく出てくる話です。
所有者の変更は、Salesforce のヘルプでは「所有権の移行」として説明されています。編集の権限とは別に、所有者を変えるための条件があります。しかも、1件ずつ変えるときと、複数件をまとめて移すときで、条件が違います。この記事では、その2つを分けて整理します。
021件の所有者を変えられるユーザー
テリトリー管理を使っていない組織で、1件のレコードの所有者を変えるには、公式ヘルプでは次の条件を満たす必要があります。
| 条件 | 中身 |
|---|---|
| オブジェクトの権限 | そのオブジェクトに対する「編集」権限を持っている |
| レコードとの関係 | 自分がレコードの所有者であるか、ロール階層で所有者より上にいる |
| 上の2つの代わり | 「すべてのデータの編集」権限か、そのオブジェクトの「すべてのレコードの編集」権限を持っている。この場合は、誰が所有するレコードでも移行できる |
| 新しい所有者 | そのオブジェクトに対して、少なくとも「参照」権限を持っている |
もう1つ、共有設定による例外があります。オブジェクトの組織の共有設定が「公開/フルアクセス」か「公開/参照・更新・移行」なら、すべてのユーザーがその種類のレコードの所有権を移行できます。「公開/参照・更新・移行」を選べるのは、リードとケースだけです。
つまり、所有者でもその上司でもない担当者は、編集の権限だけでは所有者を変えられません。共有ルールや手動共有でレコードの編集権が付いていても、この条件は満たされません。
03「所有権の移行」権限は複数件のための権限
ユーザー権限には「所有権の移行」(英語の画面では Transfer Record)があります。名前から、これを付ければ所有者を変えられると考えがちです。
担当者に1件ずつの付け替えを任せたいのか、管理者や特定の担当者に一括の付け替えを任せたいのかを先に決めると、付ける権限を選びやすくなります。
04複数件をまとめて移すときの権限
複数のレコードをまとめて移す場合は、レコードの所有者やロール階層の上位である必要はありません。その代わり、オブジェクトごとに次の権限が要ります。
| オブジェクト | 必要な権限 |
|---|---|
| 取引先 | 「所有権の移行」と、取引先に対する「編集」 |
| リード | 「リード所有者の移行」か「所有権の移行」のどちらかと、リードに対する「編集」 |
| ケース | 「ケース所有者の移行」か「所有権の移行」のどちらかと、ケースに対する「編集」。さらに、関連する取引先に対する「参照」と「所有権の移行」 |
| カスタムオブジェクト | 「所有権の移行」と、そのオブジェクトに対する「編集」 |
リードとケースには専用の権限があるので、リードだけ、ケースだけを付け替える担当者には、範囲の狭いほうの権限を付けられます。
リストビューの「所有者の変更」で移すときも、新しい所有者がそのオブジェクトに対して少なくとも「参照」権限を持っている必要があります。
ユーザー権限とオブジェクト権限は、どちらもプロファイルと権限セットの両方で設定できます。プロファイルは1人に1つですが、権限セットは複数付けられます。一部の担当者にだけ一括の付け替えを任せるなら、権限セットで付けると対象を絞れます。
05所有権の一括変更ツールで移す
取引先・リード・サービス契約・カスタムオブジェクトは、設定の[所有権の一括変更]でまとめて移せます。
ツールを開く
設定の[クイック検索]に「所有権の一括変更」と入れ、[所有権の一括変更]を選びます。
移すデータの種類を選ぶ
取引先・リード・サービス契約・カスタムオブジェクトのうち、移すものを選びます。
移行元と移行先を入れる
今の所有者と新しい所有者を入れます。リードの場合は、ユーザーかキューを指定できます。
対象を絞って検索する
検索条件を入れて検索し、出てきたレコードから移すものを選んで実行します。
ここで間違えやすい
このツールが一度に扱えるのは、最大250件です。公式ヘルプでは、自分が所有していないレコードを移すには、必要な権限に加えて、そのレコードに対する参照の共有アクセス権も要るとされています。
取引先を移すときは、関連する商談やケースを一緒に移すかどうかと、取引先チームと商談チームを残すかどうかを選ぶ項目が出ます。商談チームを残す項目を外すと、商談を移すときにチームメンバーと分割が削除されます。何が一緒に移るかを確かめてから実行してください。
06確認した環境
- 2026年10月 / Salesforce Winter '27(API バージョン 68.0)時点の公式ドキュメントで確認しています
- 条件は、Salesforce ヘルプの「所有権の移行」(日本語版と英語版)と「Mass Transfer Records」の記載に合わせています
07まとめ
- 1件の所有者を変えるには、「編集」権限に加えて、所有者本人かロール階層の上位であることが要ります
- 「すべてのデータの編集」か、そのオブジェクトの「すべてのレコードの編集」があれば、誰が所有するレコードでも移行できます
- 「所有権の移行」権限は複数件のための権限で、これだけでは1件の所有者を変えられません
- 複数件をまとめて移すときは、オブジェクトごとに「所有権の移行」や「リード所有者の移行」「ケース所有者の移行」と「編集」が要ります
- 1件ずつ変えるときとリストビューの「所有者の変更」では、新しい所有者にそのオブジェクトの「参照」権限が要ります
- [所有権の一括変更]で一度に扱えるのは250件までです
08参考
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