商談作成のたびに取引先責任者の商談数を集計する手順
積み上げ集計項目は参照関係の親子には使えません。商談の作成を合図に、取引先責任者側の商談数をフローで数え直す作り方をまとめます。
なぜフローで集計するのか
標準の積み上げ集計項目は、マスタ詳細関係の主側にしか作成できません。参照関係の子には使えず、主側に積み上げ集計項目がある間は、マスタ詳細関係を参照関係へ変換することもできません。商談から取引先責任者への参照が参照関係(ルックアップ)になっている組織では、積み上げ集計項目という選択肢自体がありません。このケースでは、レコードトリガーフローで商談数を数え直します。
用意する2つの項目
子と親、それぞれに項目が必要です。
| オブジェクト | 項目名 | 種別 | 役割 |
|---|---|---|---|
| 商談 | 取引先責任者 | 参照関係(取引先責任者) | どの取引先責任者にひもづく商談かを示す |
| 取引先責任者 | 商談数 | 数値(小数点0桁) | ひもづく商談の件数を格納する |
商談に参照関係項目を作る
オブジェクトマネージャで商談を開き、項目とリレーションから新規項目を作成します。データ型は参照関係を選び、参照先のオブジェクトに取引先責任者を指定します。
取引先責任者に数値項目を作る
同じくオブジェクトマネージャで取引先責任者を開き、商談数を格納する数値項目を作成します。小数点の桁数は0で足ります。
⚠️ 参照関係項目を作った直後は、既存の商談すべてで値が空です。過去分を埋めるかどうかは、この記事の範囲外の判断になります。
フローを新規作成する
レコードトリガーフローを選ぶ
設定のFlowsから新規フローを作成し、「レコードトリガーフロー」を選びます。
開始対象を商談にする
オブジェクトで商談を選び、フローをトリガーする条件は「レコードが作成された場合」にします。
保存後に実行するフローを選ぶ
このあと取引先責任者という別レコードを更新するため、保存前(項目の直接更新)ではなく、保存後に実行するフローを選びます。
⚠️ 保存前フローは、トリガーになったレコード自身の項目しか更新できません。取引先責任者のような関連レコードへは書き込めないため、この用途では選べません。
商談から取引先責任者を取得する
作成された商談のContact__cから、ひもづく取引先責任者を1件取得します。レコードを取得要素で、IDが$Record.Contact__cに一致する取引先責任者を検索し、「最初のレコードのみを自動的に保存」を選びます。取得したレコード変数は、あとの要素でそのまま更新に使います。
商談数を数え直す
もう一度レコードを取得要素を使い、Contact__cが今取得した取引先責任者のIDに一致する商談を、すべてコレクションとして取得します。あとはこのコレクションの件数を数えるだけです。
数え方は3通りあります。
| 方法 | やり方 |
|---|---|
| Transform要素 | コレクションを指定し、集計の種類で件数をカウントを選ぶ。数値項目1つに直接出力できる |
| ループ+代入 | ループでコレクションを1件ずつ回し、数値変数へ1ずつ加算する |
| 割り当て要素の「件数と等しい」 | 数値変数に、コレクションの件数をそのまま入れる。この記事の画像の例はこの方法です |
Transform要素はコレクションの件数や合計を、ループを組まずに1要素で出せます。ループ+代入は要素数が増えますが、Transform要素が無い版のフローを保守する場合はこちらになります。
取引先責任者を更新する
数え直した件数を、さきほど取得した取引先責任者レコード変数の商談数へ代入します。レコードを更新要素は、IDと項目値をレコード変数から取る方式を選び、更新対象にこの変数を指定します。ここまでで、商談作成のたびに取引先責任者の商談数が最新化されます。
一括登録時に気をつけること
商談はデータローダーなどで、同じ取引先責任者に何十件もまとめて作成されることがあります。この場合、レコードトリガーフローは商談1件につき1回のインタビューとして動きますが、同じトランザクション内なので、すでに登録された他の商談もカウントに含まれます。件数そのものは、どのインタビューで数えても正しい値になります。
問題は更新の回数です。フロー全体の一括処理で、同じ取引先責任者レコードへの更新は自動的にまとめられますが、1つのバッチで許可される重複更新の合計数は12件です。同じ取引先責任者にぶら下がる商談を13件以上まとめて登録すると、この上限に当たる可能性があります。少数件ずつの登録では問題になりませんが、CSVからのまとめ登録では意識してください。
動作確認
既存の商談と取引先責任者を確認する
取引先責任者の商談数が、実際にひもづく商談の件数と一致しているかを先に確認します。
商談を新規作成する
対象の取引先責任者を指定して、商談を1件作成します。
取引先責任者の商談数を確認する
作成前より1件増えていれば成功です。フローのデバッグ画面で、各要素の値もあわせて確認できます。
ここで間違えやすい
| 間違い | 何が起きるか |
|---|---|
| 保存前フローを選んでしまう | 取引先責任者という関連レコードを更新できません |
| 取引先責任者の取得で条件を絞らない | 無関係な取引先責任者まで取得してしまいます |
| 商談数を数える取得要素で絞り込みを外す | 別の取引先責任者の商談まで合算してしまいます |
| 一度に13件以上の商談を同じ親へ登録する | 重複更新の上限に当たり、更新が失敗することがあります |
確認した環境
- 2026年9月 / Salesforce Summer '26(APIバージョン67.0)時点の公式ヘルプで、積み上げ集計項目の条件とフローの上限を確認しています
- 項目名は、ご自身の組織のものに置き換えてください
まとめ
- 積み上げ集計項目は参照関係の親子には使えません。商談と取引先責任者が参照関係の組織では、フローで代用します
- 保存後に実行するフローを選びます。保存前フローは関連レコードを更新できません
- 件数はTransform要素、ループ+代入、割り当て要素の「件数と等しい」のいずれかで数えます。Transform要素なら要素数を減らせます
- 同じ取引先責任者に13件以上の商談を一度に登録すると、重複更新の上限(12件)に当たることがあります
- 動作確認は、既存の件数を先に控えてから商談を作成し、差分で確認します
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