商談削除時に取引先責任者側の商談数を正しい件数へ戻す手順
商談を削除しても、取引先責任者側の商談数は自動では減りません。削除を合図に件数を数え直すフローの作り方と、削除前ならではのつまずき所をまとめます。
なぜフローで集計するのか
標準の積み上げ集計項目は、マスタ詳細関係の主側にしか作成できません。参照関係の子には使えず、主側に積み上げ集計項目がある間は、マスタ詳細関係を参照関係へ変換することもできません。商談から取引先責任者への参照が参照関係(ルックアップ)になっている組織では、積み上げ集計項目という選択肢自体がありません。商談を削除して件数が減ったときも、フローで数え直します。
用意する2つの項目
商談(参照関係項目)と取引先責任者(数値項目)、2つの項目を使います。作成時の記事と同じ項目なので、すでに用意済みならこの節は飛ばせます。
| オブジェクト | 項目名 | 種別 | 役割 |
|---|---|---|---|
| 商談 | 取引先責任者 | 参照関係(取引先責任者) | どの取引先責任者にひもづく商談かを示す |
| 取引先責任者 | 商談数 | 数値(小数点0桁) | ひもづく商談の件数を格納する |
項目が無ければ商談側に作る
オブジェクトマネージャで商談を開き、参照関係項目として取引先責任者を追加します。
項目が無ければ取引先責任者側に作る
取引先責任者を開き、商談数を格納する数値項目を追加します。小数点の桁数は0で足ります。
フローを新規作成する
レコードトリガーフローを選ぶ
設定のFlowsから新規フローを作成し、「レコードトリガーフロー」を選びます。
開始対象を商談にする
オブジェクトで商談を選び、フローをトリガーする条件は「レコードが削除された場合」にします。
削除トリガーには保存前後の選択肢がありません。削除トリガーフローは、レコードが実際に削除される前に実行されます。このため$Recordからは、これから削除される商談の項目値をそのまま読み取れます。
削除される商談から取引先責任者を取得する
$Record.Contact__cから、ひもづく取引先責任者を1件取得します。レコードを取得要素の条件をIDに設定し、「最初のレコードのみを自動的に保存」を選びます。
削除前は対象レコードもカウントに含まれる
取引先責任者にひもづく商談を、取得要素であらためて全件取得します。ここが削除トリガー特有のつまずき所です。削除トリガーフローが動く時点で、削除対象の商談はまだデータベースに残っています。そのため、この取得要素の結果には、削除されようとしている商談自身も含まれています。
数えた件数をそのまま商談数へ入れると、実際より1件多い値になります。決定要素で分岐し、次のように調整します。
| 数えた件数 | 商談数に入れる値 |
|---|---|
| 1以上 | 数えた件数から1を引いた値 |
| 0 | 0のまま |
0のときにも分岐を用意するのは、他の処理と重なって件数が0になっている場合に、マイナスの値を書き込まないようにするためです。
取引先責任者を更新する
調整した件数を、取得した取引先責任者レコード変数の商談数へ代入し、レコードを更新要素で保存します。取得元のレコード変数をそのまま使えば、IDを別途指定する必要はありません。
一括削除時に気をつけること
同じ取引先責任者にひもづく商談を、一括削除でまとめて消すこともあります。この場合も削除トリガーフローは商談1件につき1回のインタビューとして動き、それぞれが同じ取引先責任者を更新しようとします。フロー全体の一括処理で更新はまとめられますが、1つのバッチで許可される重複更新の合計数は12件です。同じ取引先責任者にぶら下がる商談を13件以上まとめて削除すると、この上限に当たる可能性があります。
動作確認
既存の商談と取引先責任者を確認する
削除前の商談数が、実際の商談件数と一致しているかを確認します。
商談を削除する
対象の取引先責任者にひもづく商談を1件削除します。
取引先責任者の商談数を確認する
削除前より1件減っていれば成功です。0件だった取引先責任者で試すと、0のまま変わらないことも確認できます。
ここで間違えやすい
| 間違い | 何が起きるか |
|---|---|
| 数えた件数をそのまま商談数へ入れる | 削除対象の商談自身も数に含まれたままになります |
| 件数が0のときに1を引いてしまう | 商談数がマイナスになります |
| 一度に13件以上の商談を同じ親から削除する | 重複更新の上限に当たり、更新が失敗することがあります |
確認した環境
- 2026年9月 / Salesforce Summer '26(APIバージョン67.0)時点の公式ヘルプで、削除トリガーフローの実行タイミングとフローの上限を確認しています
- 項目名は、ご自身の組織のものに置き換えてください
まとめ
- 削除トリガーフローは、商談が実際に削除される前に実行されます。項目値はそのまま読み取れます
- そのため、削除前に数えた件数には削除対象の商談自身が含まれます。1を引いてから保存します
- 件数が0のときは1を引かず、0のまま保存します
- 同じ取引先責任者から13件以上の商談を一度に削除すると、重複更新の上限(12件)に当たることがあります
- 動作確認は、0件の取引先責任者でも試し、マイナスにならないことを確かめます
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