開発環境・ツール

Salesforce DevToolsでの定義書作成といまの状況

この記事は2023年に書いたものです。取り上げているChrome拡張は、いまも更新が続いていますが、Salesforce公式の製品ではありません。当時の手順はそのまま残し、2026年9月時点の状況と、同じことを標準機能で行う方法を追記しました。

2023.12.01

この記事の読み方

最初に書いた時点では、Chrome拡張機能のSalesforce DevToolsを使って、取引先と取引先責任者のオブジェクト構成図(ER図)と項目定義書を作る、という内容でした。その手順自体は下に残してあります。

3年が経ちましたが、この拡張機能はいまも配布・更新が続いています。ただし、Salesforce公式の製品ではない点は最初から変わっていません。

先に結論です。この拡張機能はいまも動いていますが、Salesforce公式ではありません。組織の全ページを見られる権限を求める拡張機能なので、入れる前に見える範囲とデータの経路を確認してください。同じ資料は、開発者コンソールやSalesforce CLIなど公式の手段でも作れます。

Salesforce DevToolsでできたこと

Chromeの拡張機能として追加すると、Salesforce組織のオブジェクトタブなどに専用のメニューが加わります。オブジェクトを検索して選ぶと、次のような資料をその場で作れました。

Salesforce画面の右側に開いたSalesforce DevToolsのパネル。下部のSearch Objectsが赤枠で囲まれている
拡張機能を入れると、Salesforceの画面を開いたままこのパネルが右側に出ます。資料づくりの入口は、いちばん下の「Search Objects」です。
できたこと内容
ER図の生成選んだオブジェクト同士の関係を図(SVG)にして書き出す
項目定義書の生成選んだオブジェクトの項目一覧をExcelファイルにして書き出す
オブジェクト定義書の生成オブジェクトの設定情報をExcelファイルにして書き出す
画面設計書・リストビュー設計書の生成ページレイアウトや一覧の構成をExcelファイルにして書き出す
Exportのメニューが開き、Objects Definition、Object Fields Definition、ERDs(svg)、Page Layouts、List Viewsが並んでいる
「Export」を押すと、上の表に挙げた出力の種類がそのまま並びます。ER図は「ERDs (svg)」、項目定義書は「Object Fields Definition」です。

導入は、Chromeウェブストアから拡張機能を追加し、Salesforceへログインした状態でオブジェクトタブから起動するだけでした。

ChromeウェブストアのSalesforce DevToolsの掲載ページ。右上の「Chromeに追加」ボタンが赤枠で囲まれている
Chromeウェブストアの掲載ページです。右上の「Chromeに追加」から入れます。公開元がxgeek.netであることも、ここで確かめられます。

取引先と取引先責任者の構成図を作る手順は、次のとおりです。

  1. 拡張機能を起動する

    Salesforceにログインした状態で、Salesforce DevToolsのアイコンをクリックします。

  2. Search Objectsを選ぶ

    メニューから「Search Objects」を選ぶと、オブジェクトの検索欄が表示されます。

  3. 対象のオブジェクトを検索して選ぶ

    検索欄に「取引先」と入力し、結果から「取引先」「取引先責任者」を選びます。

  4. 出力形式を選ぶ

    ER図がほしいときは「ERDs(svg)」を、項目定義書がほしいときは「Object Fields Definition」を選びます。

  5. 書き出されたファイルを確認する

    ダウンロードされたSVGまたはExcelファイルを開いて内容を確認します。

Salesforceの取引先タブの一覧画面。リストビュー名「最近参照したデータ」が赤枠で囲まれている
起点になる取引先タブの一覧です。ここから取引先責任者へ進みます。右上の「帳票出力」「Apex実行」は、この検証組織だけのボタンです。
取引先「鈴木商会」の取引先責任者の関連リスト。画面上部の見出し部分が赤枠で囲まれている
拡張機能は、こうしたレコードの画面を開いたまま呼び出します。ここでは取引先責任者の関連リストを開いた状態から始めています。
Chromeのツールバー。アドレスバーの右にあるSalesforce DevToolsのアイコンが赤枠で囲まれている
手順1です。Salesforceにログインしたまま、ツールバーの右にあるこのアイコンをクリックします。
Salesforce DevToolsのパネルに切り替わった検索用の入力欄。検索欄が赤枠で囲まれている
手順2です。「Search Objects」を選ぶと、パネルがこの検索欄に変わります。下に書き方の例も出ています。
検索欄に「取引先」と入力し、一覧の取引先と取引先責任者にチェックが入った状態の画面
手順3です。「取引先」で絞り込み、取引先と取引先責任者の2つにチェックを入れます。選んだ数は「2 Selected」で確かめられます。
Exportのメニューが開き、Object Fields Definitionが赤枠で囲まれている画面
手順4です。項目定義書がほしいときは「Object Fields Definition」を選びます。ER図なら「ERDs (svg)」です。
書き出されたER図。個人と取引先の箱から、AccountIdとIndividualIdを持つ取引先責任者へ線が伸びている
手順5です。「ERDs (svg)」で書き出したER図です。どの項目でつながっているかまで図に出ます。
Excelで開いた定義書のObjectsシート。取引先と取引先責任者の2行が表示ラベルとAPI参照名つきで並んでいる
こちらは「Object Fields Definition」で書き出したExcelです。1枚目のシートに、選んだオブジェクトの一覧が入ります。
Excelの取引先シート。項目の表示ラベル、API参照名、データ型、桁数、必須、選択リスト値の列が並んでいる
取引先のシートです。表示ラベル・API参照名・データ型・桁数・必須・選択リスト値まで、そのまま一覧になります。
Excelの取引先責任者シート。姓・名・氏名などの標準項目の定義が並んでいる
オブジェクトごとにシートが分かれます。こちらは取引先責任者のシートで、下のタブで切り替えて見る形です。

2026年9月時点の状況

Chromeウェブストアにいまも掲載されています。バージョン3.12.1、最終更新は2026年7月23日、公開元はXiaoan Lin氏(xgeek.net)、利用者数は50,000人と表示されています。

配布ページの機能一覧を見ると、この記事で扱っている「Salesforceデータモデル(ER図)自動生成機能」と「オブジェクト項目定義書(Excel)自動生成機能」は、いまも現行の機能として掲載されています。2026年7月15日の更新は、一括データ編集機能をAI連携の後継機能へつなげる追加であり、ER図・定義書の機能とは別枠です。

⛔ この拡張機能はSalesforce公式の製品ではありません。help.salesforce.com にも developer.salesforce.com にも、この拡張機能についての記載はありません。動作・提供の継続・不具合時の対応は、いずれもSalesforceの保証の外にあります。

配布ページの権限一覧では、https://*.salesforce.com/* を含むSalesforce系ドメインすべてへのアクセス権限(host permissions)を求めると明記されています。また、開発者自身の開示として「Location」「Web history」という2つのデータ区分を扱うと記載されており、あわせて「第三者への販売はしない」「本来の用途と関係ない目的には使わない」という宣言も出ています。

入れる前に確かめること

外部のブラウザ拡張をSalesforceにつなぐときは、機能の便利さより先に次を見てください。

  1. 見える範囲を確認する

    この拡張機能はSalesforce系ドメイン全体へのアクセス権限を求めます。本番組織にログインした状態で使うと、その画面に映るデータはすべて拡張機能から見える状態になります。

  2. データの経路を確認する

    配布元は「Location」「Web history」を扱うデータ区分として開示しています。何をどこまで扱っているかは、開発者が公開しているプライバシーポリシーの原文で確かめてください。

  3. 会社の方針に合うかを確認する

    ブラウザ拡張の導入を情報システム部門が管理している会社では、個人の判断で入れられません。

  4. まず検証環境で試す

    ER図や定義書の生成は読み取り中心の操作ですが、本番組織で最初に試すのは避け、Sandboxなどで動作を確かめてください。

標準機能で同じことをする

ER図や項目定義書の作成は、Salesforce公式の機能や開発者向けツールでもかなりの部分ができます。

やりたいこと標準・公式でのやり方
オブジェクト同士の関係を図で見る設定のスキーマビルダーで、オブジェクトと参照関係を画面上に表示できます
項目の一覧と型を確認するオブジェクトマネージャの「項目とリレーション」、または開発者コンソールのObject Inspector(読み取り専用の一覧)で確認できます
項目定義をファイルとして手元に残すSalesforce CLI(sf コマンド)でメタデータを取得し、.object-meta.xml や .field-meta.xml としてローカルに保存できます
プログラムから項目定義を取得するTooling APIやメタデータAPIのSObject・CustomField関連のオブジェクトで、項目の定義情報を取得できます

関係図を画像ファイルとして残したいときは、画面のスクリーンショットを使うか、取得したメタデータをもとに資料化します。

開発者コンソールのObject Inspector

開発者コンソールの「File > Open」からオブジェクトを選ぶと、そのオブジェクトの項目一覧とデータ型を読み取り専用で確認できます。カスタムオブジェクトの作成・編集・削除はここではできません。設定画面から行います。

確認した環境

  • 2026年9月 / Salesforce Summer '26(APIバージョン67.0)時点の公式ドキュメントで、スキーマビルダー・開発者コンソール・Salesforce CLIの位置づけを確認しています
  • 拡張機能の提供状況は、2026年9月に配布元のChromeウェブストアの掲載内容で確認しています
  • 記事の前半の手順は2023年12月時点の記録です。画面や操作は変わっている可能性があります

まとめ

  • Salesforce DevToolsは、オブジェクトのER図と項目定義書をワンクリックで作れるChrome拡張でした
  • 2026年9月時点でも配布・更新が続いており、同じ機能が現行版にも掲載されています
  • Salesforce公式の製品ではなく、Salesforce系ドメイン全体への権限を求めるため、見える範囲とデータの経路を確認してから入れてください
  • オブジェクトの関係と項目一覧は、スキーマビルダーと開発者コンソールのObject Inspectorで公式に確認できます
  • 項目定義をファイルとして残したいときは、Salesforce CLIでメタデータを取得する方法が公式の代替です

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