開発環境・ツール

設定変更履歴を標準機能とWorkbenchで確認する方法

この記事は2021年に書いたものです。取り上げているWorkbenchはいまも公開されていますが、開発元自身が新機能の追加とセキュリティ修正を終えたと表明しています。当時の手順はそのまま残し、2026年9月時点の状況と、標準機能だけでどこまで足りるかを追記しました。

2021.02.01

この記事の読み方

最初に書いた時点では、標準機能の「設定変更履歴の参照」画面で組織の変更を確認したうえで、同じ内容をWorkbenchという外部Webツールからも調べる、という内容でした。その手順自体は下に残してあります。

標準機能の部分はいまも変わらず使えます。変わったのはWorkbenchの位置づけです。開発元自身が、新機能を追加せず、セキュリティ上の問題も修正しないと明記しています。

先に結論です。設定変更が誰によっていつ行われたかは、標準機能の「設定変更履歴の参照」だけで確認できます。Workbenchは元からSalesforce公式のツールではなく、いまは開発元が保守を最小限にとどめると表明しています。組織の認証情報を外部サイトに渡す前に、この位置づけを踏まえて判断してください。

標準機能の設定変更履歴の参照でできること

設定のクイック検索から「設定変更履歴の参照」(View Setup Audit Trail)を開くと、管理者が行った設定変更が一覧で表示されます。

設定変更履歴の参照画面の上部。クイック検索欄と、履歴の説明文が並んでいる
設定のクイック検索から開いた画面です。過去20回分が表示され、Excel csvでダウンロードできると書かれています。
確認できる変更の例表示される内容
組織情報の変更会社情報などの項目を変更した日時と実行者
ユーザ名の変更ユーザのユーザ名を変更した日時と実行者
項目表示ラベルの変更カスタム項目の表示ラベルを変更した日時と実行者
ページレイアウトの変更ページレイアウトを変更した日時と実行者
公開グループの作成公開グループを新規作成した日時と実行者
Apexクラスの作成Apexクラスを新規作成した日時と実行者
承認プロセスの作成承認プロセスを新規作成した日時と実行者
設定変更履歴の一覧。組織の住所を変更した記録が1行表示されている
組織情報を変更したときの記録です。日付・アクション・セクションがどう並ぶかを見てください。
設定変更履歴の一覧。ユーザのユーザ名を変更した記録が表示されている
ユーザ名の変更の記録です。アクション欄に変更前と変更後の両方が残る点を見てください。
設定変更履歴の一覧。カスタム項目の表示ラベルを変更した記録が表示されている
カスタム項目の表示ラベルを変えたときの記録です。セクション欄に対象のオブジェクトが出ます。
設定変更履歴の一覧。取引先のページレイアウトを変更した記録が表示されている
ページレイアウトの変更もこの一覧に残ります。どのレイアウトを触ったかが名前で分かります。
設定変更履歴の一覧。公開グループの作成とメンバーシップ変更の2行が並んでいる
公開グループは、作成とメンバーシップの変更が別の行として残ります。2行の違いを見てください。
設定変更履歴の一覧。Apexクラスを新規作成した記録が表示されている
Apexクラスの作成の記録です。セクション欄が「Apex クラス」になっている点を見てください。
設定変更履歴の一覧。取引先に対する承認プロセスを作成した記録が表示されている
承認プロセスの作成の記録です。どのオブジェクトに対して作ったかがアクション欄に出ます。

画面には直近20件の変更が表示され、過去180日分の履歴をダウンロードできます。180日を過ぎた分は削除されるため、長期間の証跡が必要な場合はダウンロードして手元に残しておく必要があります。

Workbenchでできたこと

Workbenchは、ブラウザから開いてSalesforce組織にログインし、SOQLクエリの実行やデータ・メタデータの取得ができるWebツールです。設定変更履歴についても、次のような形で調べられました。

  1. 組織にログインする

    いつも使っているブラウザで、確認したいSalesforce組織にログインしておきます。

  2. Workbenchを開いてアクセスを許可する

    新しいタブでWorkbenchのログイン画面を開き、組織へのアクセスを許可します。

  3. クエリで対象を絞り込む

    クエリ機能から、設定変更履歴を保持しているオブジェクト(SetupAuditTrail)を対象に、変更の種類や日時で絞り込んで検索します。

  4. 結果を確認する

    該当する変更の日時と実行者を、検索結果の一覧から確認します。

Workbenchのログイン画面。環境とAPIバージョンの選択欄と利用規約への同意欄がある
Workbenchの入口です。画面の中ほどに「公式のsalesforce.com製品ではない」と当時から書かれています。
Salesforceのアクセス許可画面。Workbenchが基本情報とデータへのアクセスを求めている
アクセス許可の画面です。基本情報とデータへのアクセスまで許可を求められる点を見てください。

標準機能の画面が直近20件の表示にとどまるのに対し、Workbenchはクエリで条件を絞り込める分、対象を狙って調べやすい、という違いがありました。

2026年9月時点の状況

Workbenchはいまも workbench.developerforce.com で公開されています。ログイン画面には現在のバージョンとして66.0.0が表示され、対応APIバージョンも幅広く選べる状態です。

一方で、公開元のGitHubリポジトリ(forceworkbench/forceworkbench)のREADMEには、次のとおり明記されています。

> Workbench is NOT a supported product of or supported by salesforce.com, inc. > WORKBENCH IS MAINTENANCE ONLY MODE. NO NEW FEATURES WILL BE ADDED AND NO NEW SECURITY ISSUES WILL BE FIXED.

⛔ Workbenchは、もともとSalesforce公式のツールではありません。Workbenchのログイン画面自体にも「not an official salesforce.com product」と明記されています。さらにいまは、開発元が新機能追加とセキュリティ修正を止めた「保守のみ」の状態にあると自ら表明しています。サポートはオープンソースコミュニティ(Salesforce Stack Exchangeなど)が窓口です。

外部ツールをSalesforceにつなぐときに確かめること

Workbenchは、ブラウザの拡張機能ではなく、組織の認証情報を渡してログインする外部のWebツールです。つなぐ前に次を確認してください。

  1. 見える範囲を確認する

    ログインを許可すると、そのユーザ権限で見られるデータ・メタデータのほぼすべてがWorkbench側の画面に表示できる状態になります。

  2. データの経路を確認する

    Workbenchはブラウザの中だけで完結するツールではなく、外部にホストされたWebアプリケーションです。API呼び出しは組織とWorkbenchのサーバの間でやり取りされます。ブラウザ拡張機能とは経路が異なる点を踏まえてください。

  3. 会社の方針に合うかを確認する

    外部サービスへのログイン許可を情報システム部門が管理している会社では、個人の判断で接続できません。

  4. 保守のみの状態であることを踏まえて使う

    新しいセキュリティ問題が見つかっても直らない前提で、重要な作業は公式ツールへ切り替えることを検討してください。

標準機能で同じことをする

Workbenchで行っていたクエリやメタデータの確認は、公式の手段でも行えます。

やりたいこと標準・公式でのやり方
設定変更を種類ごとに一覧で見る標準機能の「設定変更履歴の参照」画面(直近20件、過去180日分をダウンロード可能)
SOQLで対象を絞り込んで調べる開発者コンソールのクエリエディタで、対象のオブジェクトに条件を付けて検索する
コマンドラインでデータ・メタデータを取得するSalesforce CLI(sf コマンド)で、組織からメタデータやレコードを取得する
エディタから組織のメタデータを確認するSalesforce Extensions for VS Codeで、組織に接続してメタデータを参照・取得する

⚠️ SetupAuditTrailオブジェクトは、組織のSetup領域で行われた変更を少なくとも過去180日分保持します。開発者コンソールやSalesforce CLIでクエリを組み立てる際は、このオブジェクトの項目を実際に確認しながら進めてください。

確認した環境

  • 2026年9月 / Salesforce Summer '26(APIバージョン67.0)時点の公式ドキュメントで、設定変更履歴の保存期間とSetupAuditTrailオブジェクトの位置づけを確認しています
  • Workbenchの状況は、2026年9月に公式サイト(workbench.developerforce.com)とGitHubリポジトリの掲載内容で確認しています
  • 記事の前半の手順は2021年2月時点の記録です。画面や操作は変わっている可能性があります

まとめ

  • 設定変更履歴の参照は、直近20件の表示と過去180日分のダウンロードができる標準機能で、いまも変わらず使えます
  • Workbenchは、クエリで対象を絞り込んで設定変更を調べられる外部Webツールでした
  • Workbenchはもともと非公式で、いまは開発元が新機能追加とセキュリティ修正を止めた保守のみの状態にあります
  • 外部Webツールは組織の外にあるサーバを経由するため、ブラウザ拡張機能とは異なるデータの経路になります
  • SOQLでの絞り込みやメタデータ取得は、開発者コンソール・Salesforce CLI・VS Code拡張機能で公式に代替できます

参考:当時の画面

記事を最初に書いた当時の画面です。いまの手順と違うところは、各画像の説明に書いています。

Workbenchの操作選択画面。Jump toとObjectの選択欄がまだ空の状態
まずJump toで使う機能を選ぶところから始めます。
Workbenchの操作選択画面。標準・カスタムオブジェクトと取引先を選んだ状態
調べたいオブジェクトを選んだ状態を見てください。
Workbenchで取引先の定義を表示した画面。項目や参照関係がフォルダで並んでいる
取引先の定義が種類ごとに畳まれて並びます。
Workbenchで取引先の項目一覧を開いた画面。項目名が順に並んでいる
項目のフォルダを開くと、項目名が並びます。
Workbenchでカスタム項目の属性を展開した画面。表示ラベルや桁数が並んでいる
labelの行に、設定変更履歴で見たのと同じ表示ラベルが出ています。
Workbenchの操作選択画面。メタデータの種類と構成要素を選んだ状態
メタデータの種類から探す場合はこちらを選びます。
Workbenchでページレイアウトの種類を選んだ画面。構成要素が51件と表示されている
ページレイアウトを選ぶと、件数付きで構成要素が出ます。
取引先のページレイアウトの詳細。作成日時と最終更新日時が並んでいる
最終更新日時の行が、設定変更履歴の日時と一致します。
Workbenchで公開グループの種類を選んだ画面。構成要素が1件と表示されている
公開グループを選ぶと構成要素が1件だけ出ます。
公開グループの詳細。作成日時と最終更新日時、ファイル名などが並んでいる
作成日時が、設定変更履歴に残っていた作成の記録と対応します。
WorkbenchでApexクラスの種類を選んだ画面。構成要素が1件と表示されている
Apexクラスを選んだところです。件数の表示を見てください。
Apexクラスの詳細。クラス名とファイル名、作成日時と最終更新日時が並んでいる
クラス名と作成日時が、設定変更履歴の記録と一致します。
Workbenchで承認プロセスの種類を選んだ画面。構成要素が1件と表示されている
承認プロセスを選んだところです。赤枠の選択欄を見てください。
取引先の承認プロセスの詳細。プロセス名と作成日時、最終更新日時が並んでいる
取引先の下に承認プロセスがぶら下がる形を見てください。

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