導入・活用の解説

Web-to-ケースで緊急の問い合わせから対応する

Web-to-ケースのフォームで問い合わせの種類を選んでもらえば、届いた順ではなく緊急度の順に対応できます。2021年に書いた記事を、2026年9月時点のSalesforce公式ヘルプで確かめ直しました。

2021.06.28

どういうときに使うのか

Webサイトの問い合わせフォームには、ささいな誤字の指摘から、製品の故障や事故の報告まで、重さの違う問い合わせが混ざって届きます。届いた順に処理すると、急ぎの案件が軽い問い合わせの後ろに並んでしまいます。

SalesforceのWeb-to-ケースは、Webフォームから届いた問い合わせを、そのままSalesforceのケースにする機能です。フォームで問い合わせの種類を選んでもらえば、ケースを種類ごとに分けて、急ぐものから対応できます。

Web-to-ケースでできること

公式ヘルプに書かれている主な点です。

できること内容
ケースを自動で作るWebフォームに入力された問い合わせが、組織のケースになります
顧客とひもづけるできるだけ、顧客のメールアドレスをもとに、該当する取引先責任者と取引先にひもづけます
受付の返信をする送信した顧客には、受け付けたことを伝えるメールが自動で届きます
件数の目安1日に作れるケースは5,000件までです。申請すれば上限を上げられます

緊急度で分けるフォームを作る

例として、フォームに「問い合わせの種類」を選ぶ欄を置きます。

選択肢扱い
製品の誤作動・事故の報告最優先。すぐに担当者へ回します
製品の使い方の相談通常の順番で対応します
サイトの誤字などの指摘手が空いたときに対応します
  1. ケースに種類の項目を用意する

    ケースの「種別」などの選択リストに、上のような選択肢を用意します。有料会員かどうかなど、優先して対応したい条件があれば、その項目もフォームに出します。

  2. Web-to-ケースを有効にする

    設定のクイック検索で「Web-to-ケース」を開き、項目を埋めます。ケースの発生源の初期値は、多くの場合「Web」を選べばよいと公式ヘルプにあります。受付の返信メールのテンプレートもここで指定します。

  3. フォームのHTMLを作る

    設定の「Web-to-ケース HTML ジェネレータ」で、フォームに出す項目と、送信後に移るページのURLを指定し、「作成」を押します。できたHTMLを、自社サイトのページに貼ります。

  4. テストしてから公開する

    公式ヘルプでは、テストのときに <input type="hidden" name="debug" value="1"> の1行を足すと、送信後に確認用のページへ移ると案内されています。

ここで間違えやすいところです。テスト用に足した debug の1行は、公開する前に必ず消してください。公式ヘルプにもそう書かれています。また、有効にする画面の「reCAPTCHA 確認が必要」は推奨とされています。公開のフォームは迷惑な送信を受けやすいので、有効にしておきます。

届いたケースを振り分ける

フォームで種類が分かれていれば、あとはSalesforceの側で扱いを分けられます。

  • ケースの割り当てルールで、種類ごとに担当のキューやユーザーへ回します
  • 自動レスポンスルールで、種類ごとに違う返信メールを送ります。どのルールにも当てはまらないときは、Web-to-ケースの設定で指定した初期のテンプレートが使われます
  • リストビューを種類や優先度で分けて、担当者が急ぐものから見られるようにします

放置されたケースを知らせる

当時の記事で「一定時間内に処理されていないケースを通知する」と書いたのは、ケースのエスカレーションルールのことです。公式ヘルプでは、ルールの条件に合ったケースを自動でエスカレーションすると説明されています。

設定できること公式ヘルプの説明
担当の付け替え別のユーザーやキューへケースを付け替え、新しい所有者へ通知のメールを送れます
動く時間帯エスカレーションの処理は、ひもづけた営業時間の中でだけ動きます

製品の事故の報告のように急ぐ種類だけ、短い時間でエスカレーションする条件にしておくと、見落としを防げます。

問い合わせ以外にも使える

Web-to-ケースは、問い合わせの受付だけでなく、意見を集める窓口にも使えます。たとえば、ケースの選択肢に「賛成」「反対」を用意すれば、簡単なアンケートとして使えます。回答はケースとして種類ごとに分かれて残るので、集計も楽です。

当時の記事から変わったこと

当時の記事の最後にあった、私たちのアプリの紹介と画像は外しました。フォームの作り方そのものは、いまも設定の「Web-to-ケース HTML ジェネレータ」から作る流れです。

確認した環境

  • 2026年9月時点のSalesforce公式ヘルプ(Web-to-ケースの概要、Web-to-ケースの有効化と設定、フォームの作成とテスト、エスカレーションルール)で確認しています
  • 日本語の画面の表示名は、英語の公式ヘルプから読み替えています。画面と違うときは画面の表示に従ってください

まとめ

  • Web-to-ケースは、Webフォームの問い合わせをそのままケースにし、顧客へ受付のメールを送ります
  • フォームで問い合わせの種類を選んでもらうと、緊急度の順に対応できます
  • 種類ごとの担当は割り当てルール、返信の出し分けは自動レスポンスルールで決めます
  • 放置されたケースは、エスカレーションルールで付け替えや通知ができます
  • テスト用の debug の1行は公開前に消し、reCAPTCHA の確認は有効にしておきます

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