設定・自動化

プロセスビルダー廃止後はレコードトリガーフロー1本で自動化する

プロセスビルダーは2025年12月31日にサポートが終了しました。取引先が作成されたときに取引先責任者を自動作成する処理を、いまはレコードトリガーフロー1本で組みます。

2021.06.23

プロセスビルダーはもう新規に組まない

Salesforceは2025年12月31日をもって、ワークフロールールとプロセスビルダーのサポートを終了しました。すでに動いている設定は引き続き実行されますが、Salesforceからのカスタマーサポートやバグ修正は提供されません。新規に自動化を組む場合、Salesforceはフローへの移行を推奨しています。

当時の記事は「取引先が作成されるとプロセスビルダーが起動し、プロセスビルダーがフローを呼び出して取引先責任者を作成する」という二段構成でした。プロセスビルダーが無くなったいま、この二段構成は組みません。同じ結果は、レコードトリガーフロー1本で作れます。

何を作るか

取引先が作成されたときに、取引先名を引き継いだ取引先責任者を自動で作成します。当時の記事にあった「プロセスビルダー用の変数を用意してフローに値を渡す」という受け渡しの手間は不要です。フローの開始条件を直接「レコードトリガー」にすれば、フローだけで完結します。

レコードトリガーフローを作成する

設定のフロー一覧画面。下部に新規フローのボタンが置かれている
フローの入り口です。設定の「フロー」を開き、一覧の下にある「新規フロー」から作成を始めます。
  1. フローの新規作成を開く

    設定の「フロー」から「新規フロー」を選び、「レコードトリガーフロー」を選択します。

  2. 開始条件を設定する

    オブジェクトは取引先、トリガー条件は「レコードが作成されたとき」を選びます。特定の条件を満たすときだけ実行したい場合は、ここで条件を追加します。

  3. 実行方法を選ぶ

    「フローを最適化」は、保存の後に動く「アクションと関連レコード」を選びます。関連レコードを作成するため、保存前の最適化は使えません(理由は次の節で説明します)。

  4. レコード作成要素を置く

    キャンバスに「レコードの作成」要素を追加し、作成するオブジェクトに取引先責任者を指定します。

  5. 項目を割り当てる

    取引先責任者のLastNameに {!$Record.Name}、AccountIdに {!$Record.Id} を設定します。

  6. 保存して有効化する

    フローの表示ラベルとAPI参照名を入力して保存し、「有効化」します。

フローの作成方法を選ぶ画面。自由形式と自動レイアウトの2択
キャンバスの並べ方の選択です。要素を自分で置きたいときは自由形式、自動配置に任せるなら自動レイアウトを選びます。

before-saveでは作れない理由

レコードトリガーフローには、保存前に動く「before-save」と、保存後に動く「after-save」の2種類があります。この2つは、できることが違います。

Salesforceのドキュメントは、before-saveのフローで行えるのは「トリガーになったレコード自身の項目更新」だけだと明記しています。関連レコードの作成・更新や、トリガーレコードの更新以外の処理をしたいときは、after-save(アクションと関連レコード)のフローかApexのafterトリガーを使う必要があります。今回の「取引先責任者を新規に作成する」処理は、まさにこの後者にあたります。

before-saveのフローは、保存のやり直しが無い分、Apexのbeforeトリガーの直前というタイミングで高速に動きます。ただし、その速さと引き換えに「トリガーレコード自身の項目を書き換える」以外の動作ができません。取引先責任者の新規作成のような「別のオブジェクトのレコードを作る」処理は、after-saveのレコードトリガーフローで組みます。

動作確認

  1. 取引先を作成する

    取引先名を入力して保存します。

  2. 取引先責任者を確認する

    作成した取引先の関連リストに、取引先責任者が自動で作成されていることを確認します。

  3. 項目の値を確認する

    取引先責任者のLastNameに取引先名が、AccountIdに元の取引先のIDが入っていることを確認します。

ここで間違えやすい

間違い何が起きるか
プロセスビルダーを新規に作成する2025年12月31日以降はサポート対象外です。新規の自動化はフローで組みます
取引先責任者の作成をbefore-saveのフローに置くbefore-saveはトリガーレコード自身の項目更新しかできません。関連レコードは作成できません
プロセスビルダーからフローを呼び出す旧構成をそのまま残す動作はしますが、Salesforceのサポートとバグ修正の対象外です。移行が必要です

確認した環境

  • 2026年9月 / Salesforce Summer '26(API バージョン 67.0)時点の公式ドキュメントで、プロセスビルダーのサポート終了日とレコードトリガーフローの実行タイミングを確認しています
  • ご自身の組織で作成し、サンドボックスなどで動作を確認してから有効化してください

まとめ

  • プロセスビルダーとワークフロールールは2025年12月31日にサポートが終了しました。既存の設定は動きますが、サポートとバグ修正の対象外です
  • 新規の自動化はレコードトリガーフロー1本で組みます。プロセスビルダーからフローを呼び出す二段構成は組みません
  • before-saveのフローはトリガーレコード自身の項目更新しかできません。関連レコードの作成にはafter-saveを使います
  • before-saveはApexのbeforeトリガーの直前に動くため高速ですが、できることは項目更新に限られます
  • 既存にプロセスビルダーからフローを呼び出す構成が残っている場合は、レコードトリガーフローへの移行を計画してください

参考:当時の画面

記事を最初に書いた当時の画面です。いまの手順と違うところは、各画像の説明に書いています。

プロセスビルダーのプロセス一覧画面。項目は0件で右上に新規ボタン
当時はこの「私のプロセス」一覧の新規ボタンから作り始めていました。
プロセスビルダー「取引先更新」の編集画面。オブジェクト未設定の状態
作ったばかりのプロセスです。ここから「オブジェクトを追加」していきます。
プロセスビルダーの編集画面。対象オブジェクトに取引先が設定済み
対象オブジェクトに取引先を指定した状態です。次に条件を追加します。
プロセスビルダーの編集画面。条件に取引先作成または変更時を設定
条件に「取引先作成または変更時」が入りました。フローでは開始条件にあたる部分です。
プロセスビルダーの編集画面。アクションにFlowVariableSetを追加
ルール適用時のアクションにFlowVariableSetの呼び出しが並んでいる点を見てください。
プロセスビルダーの編集画面。アクション2件とスケジュール済みアクション
アクションが2件に増え、スケジュール済みアクションまで使われた完成形です。
起動フローのキャンバス。決定要素がひとつだけ置かれた状態
プロセスビルダーから呼ばれる側のフローです。決定要素をひとつ置いたところです。
起動フローのキャンバス。決定とレコードを作成の2要素が並ぶ
決定の先に「レコードを作成(取引先責任者作成)」を足したところを見てください。
完成した起動フローの全体図。決定から2つの分岐が伸びている
分岐名の「プロセスビルダー名存在」が、値の受け渡しに使われていた印です。
新規フローの種類を選ぶ画面。自動起動フローが選択されている
当時は「自動起動フロー」を選んでいます。いまは右上の「レコードトリガーフロー」を選びます。
Flow Builderのキャンバス。開始要素だけが置かれ、マネージャタブを表示
開始要素が「自動起動フロー」になっています。いまはここがレコードトリガーの開始条件です。
Flow Builderの要素タブ。アクションや決定などの部品が一覧で並ぶ
左の「要素」タブから、レコードを作成などの部品をキャンバスへ置いていきます。
自動作成された取引先責任者の詳細画面。名前はAccountUpdate
自動作成された取引先責任者です。名前に取引先名が入り、取引先にもひもづいています。

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